Yoriitoは“場所”ではなく、 “第2のおうち”という考え方
Yoriitoは、カフェでも、ランドリーでも、学び場でもありません。
ここは、家でも職場でもない「第2のおうち」。
ひと息つきたい人も、誰かとつながりたい人も、
新しい一歩を試してみたい人も、そっと受け入れる小さな居場所です。
長年“直す”仕事をしてきた私たちは、いま、このように考えています。
直すから、つくるへ。
Restoration to Creation──この物語を、ここから始めたい。
Yoriitoがどう生まれ、なぜ今この形を選んだのか。
そして、これからどんな未来を地域とともに描いていくのか。
その想いを、まっすぐに綴っていきます。
なぜ“直す会社”が 居場所づくりを始めたのか
私たちは、長いあいだ “直すこと” を仕事にしてきました。
破れた布やほどけた糸を元に戻すだけでなく、
その先にいるお客さまの気持ちが少し軽くなる瞬間を、何度も見てきました。
直すという行為は、単なる技術ではありません。
そこには「その人の困りごとに寄り添う」という、静かな対話があります。
長年この仕事を続ける中で、私たちは気づきました。
糸をつなぐように、人もまた、つながりを必要としている。
心がほどけそうなとき、どこかに“帰れる場所”があるだけで人は強くなれる、と。
時代が変わり、家族の形や働き方が大きく揺れる中で、
「安心していられる場所」は多くの人にとって希少になりました。
地域の中に、小さくてもいいから、
そっと寄りかかれる“第2のおうち”があったら救われる人がいる。
そんな実感が、年々強くなっていきました。
直す会社だからこそ、できることがある。
糸を結び直すように、
人の関係や暮らしの断片をそっと支えることができるのではないか。
そう考えるようになったとき、
自然と「居場所づくり」という新しい挑戦が見えてきました。
Yoriitoは、修整業の延長線ではありません。
人の生活に寄り添うという、私たちの仕事の本質を“形にした場所”です。
技術を磨いてきた時間も、家族で会社を守ってきた日々も、
すべてがこの“第2のおうち”につながっていました。
直す仕事から、居場所づくりの仕事へ。
それは突然の転換ではなく、
長い年月をかけて少しずつ育ってきた、私たち自身の答えなのです。
くつろぐ・つながる・やってみる ーYORIITOを形づくる3本柱の話
──Yoriitoを形づくる3本柱の話**
Yoriitoを「第2のおうち」として成立させているのは、
雰囲気でも設備でもありません。
人が自然にここで過ごしたくなる“3つの入り口” によって
ひとつの居場所としての機能が立ち上がっています。
🟥 ① くつろぐ|カフェ・日常
最初の入り口は「くつろぐ」。
お茶を飲む、話す、ただ座っている。
なんでもない行動の中に、
人は安心やぬくもりを感じます。
Yoriitoのカフェには、特別なルールはありません。
お母さんが子どもを連れてひと息つく日もあれば、
仕事の合間にふらりと寄る人もいる。
ここで過ごす時間は“目的のない時間”であっていい。
何かをしなければいけない場所ではなく、
そのままの自分でいられる場所。
それが「くつろぐ」の役割です。
🟦 ② つながる|イベント・共創
次の入り口は「つながる」。
人はひとりでも生きられるけれど、
誰かと関わることで世界の輪郭がやわらかくなります。
ボードゲーム会、季節の催し、ワークショップや体験会など学びの時間。
どれも大げさなイベントではなく、
「参加してみたら少し元気になった」
そんな体験の積み重ねです。
Yoriitoが大切にしているのは、
出会いではなく “関係が育つこと”。
ここで知り合った人が別の日にまた来て、
小さな会話が日々を支えていく。
その循環こそが、「つながる」が果たす役割です。
🟩 ③ やってみる|学び・体験・挑戦
3つめの入り口は「やってみる」。
人は心が少し満たされたとき、
ほんの小さな挑戦をしてみたくなります。
ワークショップや体験会、ギターやピアノのレッスン、探求学習100などーー
ここでは、誰かの“やってみたい”が尊重される空気があります。
専門家でなくてもいい。
上手くできなくてもいい。
「一歩踏み出していいんだよ」
というメッセージを受け取る場所。
やってみることは、人生の可能性をひらく。
そのきっかけを生むのが、この柱の役割です。
この3本柱は、独立した活動ではありません。
くつろげるから、つながれる。
つながれるから、やってみたくなる。
この循環が生まれたとき、Yoriitoは“居場所”になります。
Restoration to creation
私は長いあいだ、
「この人は、本当は何を伝えたいのだろう。」
そして
「自分は、本当は何がしたいんだろう。」
この二つの問いを、ずっと手放せずに生きてきました。
人はときに、言葉と本心がすれ違います。
ちいさな“心のボタンの掛け違い”が、
家庭にも、仕事にも、社会にも、大きな影響をもたらす。
その痛みは、私自身が深く味わってきたものでもあります。
そして気づいたのです。
表面に現れる問題の多くは、見えないところで起きている。
それは人だけでなく、山田修整に持ち込まれる衣類も同じでした。
ほころびや歪みの背後には、
つくり手同士の誤解、意図のズレ、工程の静かなすれ違いが潜んでいる。
衣類の傷は、単なる素材の問題ではなく、
人間関係のひずみが形になったものでもあると知ったとき、
私は深い衝撃を受けました。
そして、さらに気づいたのです。
**意味のない商品などひとつもない。
意味のない人生など、どこにもない。**
廃棄されるために作られた商品はない。
誰かが必要として生まれ、
誰かが思いを込めて送り出した“存在”です。
これは、人の人生もまったく同じだと私は強く感じています。
子どもも、大人も、
どんな背景を抱えていても、
そこには必ず価値がある。
誰にも見えなくても、自分で信じられなくても、
存在意義は消えない。
家裁調査官として、
児童養護施設の現場で、
そして自分自身の人生の中で、
私は“語られない声”に多く触れてきました。
その声は、
ときに沈黙となり、
ときに問題行動となり、
ときに「生きづらさ」として現れる。
でもその奥には必ず——伝えたかった本当の思いがある。
私はずっと考えてきました。
「この人は、本当は何を伝えたいのだろう。」
「そして自分は、本当は何がしたいんだろう。」
その答えの一部を、私は“修整”の中に見ました。
**修整とは、商品を直す仕事ではなく、
その存在が持つ“意味”を再び立ち上げる仕事。**
つくり手の意図、
作業の積み重ね、
送り手の願い。
そのすべてが、衣類というひとつの形になっています。
私たちは、その価値をもう一度光の当たる場所に戻す。
それは、まさに レストレーション(回復) でした。
そして、期せずして経営者となった私は、
再び自分に問いかけました。
「自分は、本当は何がしたいんだろう。」
家族の笑顔。
大人同士の一致と協力。
挫折から学んだ痛み。
あきらめたくなかった想い。
そして、新しい同志との出会い。
それらがひとつにつながった結果、
生まれたのが Yoriito です。
**Yoriitoは、人生をあきらめないための場所。
本来の価値がもう一度立ち上がるための場所。**
“心のボタンの掛け違い”がほどけていくとき、
人は静かに、でも確実に、本来の自分に戻っていきます。
向き合うべき当事者同士が、
正直に想いを交わそうとする——
それは簡単ではありません。
でも、あきらめないこと。
その挑戦こそ、Yoriitoの根っこにあります。
Yoriitoは、衣類を直す延長線上にあるのではなく、
人の価値・家族の価値・地域の価値を“創造”として立ち上げるための次の一歩です。
私たちが掲げる「Restoration to Creation」は、
ただのスローガンではありません。
過去への回復と、未来への希望を結ぶ
私たち自身の“生き方”そのものです。
これからも、商品にも、人にも、
「意味のないものなどひとつもない」
その信念をもって、
仲間たちと共に、丁寧に歩んでいきます。
これからの未来ビジョン
私たちがこれから目指すのは、
衣類を直すことから始まった “レストレーション” の精神を、
人・家族・地域へと広げていく未来です。
修整の現場で学んだ「存在に意味がある」という真実は、
企業としての次の一歩を導いてくれました。
Yoriitoは、その象徴です。
・疲れた心がふっと軽くなる場所
・家族がもう一度向き合える場所
・子どもが安心して育つための土台づくり
・誰かの“やってみたい”をそっと背中押しする機会
私たちが作りたい未来は、
大きな建造物や派手なイベントではありません。
人が、自分の価値を取り戻し、
もう一度歩き出せる“やわらかい環境”そのものです。
修整の現場で行ってきた「本来のかたちを立ち上げる」営みを、
今度は人と地域に届けていく。
そのために、
Yoriitoの“居場所づくり”を中心に、
学び・交流・ケア・創造が緩やかにつながっていくラインを育てていきます。
人が変わり、家族が変わり、地域が変わる。
その起点に、私たちがなれたらいい——
そんな願いを胸に、
“Restoration to Creation” の歩みを一歩ずつ進めていきます。
お客様・地域へのメッセージ
山田修整とYoriitoは、
決して“サービスを提供する会社”としてだけ存在しているわけではありません。
私たちは、
お客様一人ひとりの人生や背景の中にある
“小さな声”を受け止めながら歩んできました。
衣類の修整を通して、
つくり手の想いと着る人の想いがもう一度つながる瞬間。
Yoriitoで、お客様が少しだけ表情を緩めて帰っていく瞬間。
そのどれもが、私たちにとって大切な学びであり、励ましでした。
だからこそ、
私たちはこれからも地域の皆さんとともに、
「意味のないものは何ひとつない」という視点で、
人・物・出来事に丁寧に向き合っていきます。
子どもも、大人も、
家族も、一人で頑張っている人も、
どんなときでも居場所がある——
そんな地域を、皆さんと一緒に育てていきたいのです。
私たちができることは、
決して大げさなことではありません。
でも、
“誰かが本来の価値を取り戻すきっかけ” をつくることなら、
これからもずっと続けていける。
山田修整も、Yoriitoも、
ここに生きる皆さんのそばで、
静かに力強く寄り添い続ける存在でありたい。
そんな気持ちで、これからの歩みを続けていきます。
